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2024-07-01 12:00:00

こんにちは。
くらしのまなび舎Oleaの竹内です。

ようやく梅雨らしい天気。
今朝は多摩川を自転車で渡ったら、土手にポツンと1株のアジサイ。
1株なのに色とりどりの花が咲いていて、雨でしっとり濡れたアジサイは色鮮やかでとてもきれいでした。

個人的にはしとしと降る雨は、けっこう好きです。
雨に関するオノマトペ。
感じ方は人それぞれな部分もありますが、自分が感じたオノマトペと相手が感じたオノマトペが合うとなんだかうれしい気持ちにもなります。
お子さんがOleaにやってきて「雨が降ってた…」と、面倒くさそうに傘をたたんでいるところ、パートナーが「どのくらい降ってた?」と聞くと「もうポツポツだよ」とのこと。
パートナーが外を見て、それまでザーザー降っていたのにだいぶ雨がおさまっている様子を見て「本当だ、ポツポツだね、ザーザー降りではなくて、よかったね!」とのやりとり。
これも共感体験のひとつ。

共感体験といえば思い出す『おもひでぽろぽろ』という映画での1シーン。これも天気の話。
広田くんがタエ子に「あ、雨の日と、くもりの日と晴れと、ど、どれが一番好き?」と聞く場面があります。
タエ子はもじもじしながら「くも…くもり」とこたえます。
すると、広田くんの頭の中でキャッチャーミットにボールがスパンとおさまる映像が流れます。
そして「あ、同じだ!」と。

誰かと「あ、同じだ!」と思える経験は、ぐっと人との距離を縮めます。
ことだけではなく、気持ちも同じになれば、なによりうれしい体験となります。
さてさて、みなさんは雨の日とくもりの日と晴れと、どれが一番好きですか?

2024-06-14 12:00:00

こんにちは。
くらしのまなび舎Oleaの五味です。
前回少しお話しした『なぜOlea農園なのか』ということについてお話ししたいと思います。

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↑6月のはじめに収穫したブロッコリー
(この時期ははじめて。お子さん「畑のブロッコリー?」と不思議そう。でも、もりもり食べていましたw)


Oleaをスタートするにあたり、やってみたかったこと。
それは農の要素を活用すること。ここでいう農とは農作物のこと。
自分自身が農があるライフスタイルになじみがあるので、農作物をつくったり、できあがった野菜類を食べてみたり、次は何をつくろうか、また同じものをつくろうかと相談して、次のシーズンに新たな農作物をつくって、食べて...そういったことをOleaのレッスンでやってみたいと考えておりました。
最近では農福連携などという取り組みもあり、ゆっくりと着実に育っていく人たちによる生産活動に、農の要素はとても親和性があるというふうに言われております。
その理由として、農作物の生長がゆっくりと着実に育っていく人たちの思考や行動にマッチしている、成果が収穫物として目に見えて、おなかに入っていくという点で、わかりやすいことが挙げられています。
私はそれに加え、Oleaにとって、次のことも農の要素を取り入れる重要な意味があると考えています。


①Oleaに集うお子さんの好き嫌いは食わず嫌いにあり
特にスーパーに並ぶ野菜類は流通の都合上、とれたてのものと比較するとどうしても風味が落ちるので、野菜類の悪いところ...苦みとかえぐみとか歯ごたえのない食感などが出がち。
ならば、とれたての野菜類を食する経験をすることで食わず嫌いをなくしてもらい、好き嫌いを改善するとともに、好き嫌いから派生する食に対する苦手イメージも払拭させてしまおうということです。

②労働をするということ、貢献をするということへの実感
Oleaに集うご家庭では、Oleaの異名を「とれたて野菜を持って帰ってくる塾」というふうに呼んでくださっているそうです(笑)
最初にこのことを聞いたとき、腹を抱えて笑ってしまいましたが、まんざらでもないなぁと思っています。
お子さんたちが農園で農作物のお世話をすることで、めでたく収穫を迎え、おなかいっぱい食することで労働の意味を感じたり、ご家庭にもって帰って、ご家族に感謝されることで、他者に貢献するということを感じたり(いわば初任給で両親にレストランでの食事や旅行をプレゼントするようなもの)...
そんなことを積み重ねることで、学校卒業後のエージェンシーを知らず知らずのうちに身につけてもらえたらと思っています。

あるお子さんの言葉を借りれば、「畑はおいしい!」と、それまで好きだった野菜はそれ以上に、苦手だった野菜も食べられるようになっています。
四季や旬もなんとなく感じているようにも思います。
だんだん暑くなってきたから、今度とれるのはトマトかな?とわくわくしたり。
「去年、ブロッコリーが雪で寒そうだったよね~」と降る雪を眺めたり。
とれたての玉ねぎの根切りが手慣れてきたり。
野菜を育てて収穫して食べる経験は、お子さんたちの気持ちをゆさぶり、見える・感じる・触れる世界を広げているようです。

2024-06-11 12:00:00

みなさん、こんにちは。
くらしのまなび舎Oleaの五味・竹内です。

梅雨入り坊やがまだやってこないので、そのすきにOlea農園では収穫作業をお子さんとしました。

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まずは、じゃがいも!
ノーザンルビー、キタムラサキ、ポロシリ、いろとりどりの立派なじゃがいもがとれました。
じゃがいもと言えば…とお子さんたちのイメージにあるじゃがいもとはちがう見た目のじゃがいもも。
以前ならば、見た目だけで「いらない…」と言っていたお子さんも、『じゃがいも』と聞いてチャレンジ。
「おいしい」と安心と納得の表情で食べています。

続いて、キャベツ!

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たけのこ型のキャベツができました。
まわりの葉っぱは、ハラぺこな虫たちにもお裾分けすることになっていますが、中はギュッとつまったおいしいキャベツに。

そして、いろとりどりの花々。

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マロウ、ボリジ、カモミール。
乾燥させてハーブティーにします。
1度の収穫で300以上の花々。
キレイに洗って、キレイに並べて、乾燥させます。

Olea農園の近況をお伝えしましたが、そもそもなぜOlea農園なのか…
これはまた次回お話しすることにします。

2024-05-01 12:00:00

みなさん、こんにちは。
くらしのまなび舎Oleaの竹内です。

しばしのおやすみ(GW)に、肩の力も抜けている頃でしょうか。
いろいろと環境が変わる4月…みなさん、うまく乗りこなせましたか?
Oleaにやってくるお子さんも、4月はお疲れの様子でした。
一見、元気に見えるのですが、いつもよりも言葉が多かったり、動きが多かったり、呼吸が浅かったり…
ここはOleaだよ!やすんでいいんだよ~!と、言葉でも雰囲気でも目いっぱいお子さんたちに伝えていきます。
ソファに座ったり、床に腰をおろしたり、ゴロゴロしたりとやすめる時間が少しずつ増えてくると、表情に余裕が出てきたり、肩の位置が下がったり、鼻呼吸ができるようになったり。
その場にいる自分を含めた人や自分のまわりのものを意識することができるようになり、固くなった空気感も柔らかくなってきます。

一方で、「疲れちゃった~少しやすんでから◯◯していい?」などと、自ら疲れたことに気づき、自分なりの疲労感の受け流し方を実践するお子さんも出てきました。
お茶をのんだり、短時間昼寝をしたり、はたまたシャワーをゆっくり浴びたり、それぞれのほぐし方を知りつつあります。
これって、生きていくうえでとても重要なことですよね!

なんか、元気だなぁ…よくしゃべるなぁ…は、実はすごく疲れている、そしてどうやってやすんだらいいかわからないことのあらわれかもしれません。
是非是非、お子さんの様子をよく見てみてください。

さて、Oleaでこっそり五味が育てている野菜の種たちもこの暖かさにむくむくと芽を出し始めました。
この後、めきめきと育っていくのか、のんびりゆったりのびのび育っていくのか、これもまた楽しみです。
むくむくと芽吹いている時期。土の様子を見ながら水をあげ、暖かくなる季節に馴染みながら育つ変化を毎日じっと見守る時期です。
さてさて、苗となって、畑に解き放つとき…どんな生長を見せてくれるのか!?楽しみで仕方ありません。


2024-04-01 12:00:00

こんにちは。
くらしのまなび舎の五味です。

今朝は桜雨。寝ぼけ意識の向こうに聞こえてくる雨音にエッ?てなった朝でした。
まだつぼみばかりの桜にとっては恵みの雨ですね。水分をたくさん摂って、ぷんぷくりんに大きくなったつぼみが増えました。
今年は、例年になく見ごたえのある大きな花が咲きそうです...

少し前に、とある知的障害特別支援学校で行われた「エージェンシーの発揮」をテーマにした研究会に参加してきました。OECDが提言した2030年に向けたラーニングコンパスの中に出てくる「生徒エージェンシー」というものを、どのように開発し、生徒が発揮できるようにしていくか、ということについての実践研究会でした。
エージェンシーという言葉自体は、一般的には「代理」という意味でつかわれることが多いかと思います。(代理人事務所の会社名に使われていたりしますよね。)なので個人的には「教育業界でエージェンシー?...代理?...なに???」と思ったのですが、英和辞典をひも解くとエージェンシーには「行為主体性」という哲学的な概念もあるとのことで、そこを出発点にさらに読み解いていくとなるほど...と見えてくるものがありました。

OECDの提言では、エージェンシーとは「生徒が自分の人生や周りの世界に対してポジティブな影響を与えうる能力と意志をもっている」という原則にもとづいていて、その上で「生徒エージェンシー」とは、「変革を起こすために目標を設定し、振り返りながら責任ある行動をとる能力」として定義されています。個人や社会のウェルビーイングの実現を目指し、私たちの望む未来に向けた方向性、複雑で不確かな世界を歩んでいくために欠かせない力の一つとしています。
非常に大きな概念的な話ですが、その研究会では、自分自身のあり方と目標との関係性のつくり方(つくらせ方)、目標設定のあり方・やり方、目標を達成するための方法のひきだし方、目標達成の確認の仕方など具体的なエージェンシーを発揮するための方策や、こうした活動を繰り返すことで一人ひとりの行為主体性を育んでいる、といったことを紹介していました。

この研究会で登場するお子さんたちはみんなハツラツとしていて、充実しているさまがにじみ出ていました。しっかりと自分の人生を支えてくれる大人たちに囲まれ...というか、お子さんたち自身が自分の人生を支えてくれている人に囲まれている実感をもっている様子が伝わってきました。(自分自身を振り返り、同じ年齢時分に同じことを感じていただろうかと思うと...汗)
その昔「人は人からしか学べない」という言葉を耳にし、事あるごとに振り返り、やはりそうだよな、と思うことがしばしばあるのですが、いずれも自分の中に他者という存在があるかないかということが、この難しい世の中をしなやかに生きていくためのに必要な自身の成長だったり、それから得られる充実感であったりになるんだなぁと、強く印象に残りました。

そこから、自分たちのこの4年間を振り返ると...

Oleaでは、私たちはお子さんたち一人ひとりとじっくり向き合い、表面的な作法や技術だけにフォーカスするのではなく、その裏にある、なぜ必要なのか、どうしてやった方がいいのか、といった本質的な部分に迫りながら、お子さんと一緒に様々な状況や場面に触れ、チャレンジしてきました。それにより、身の回りのことや他の人とのかかわり、家庭や出先での立ち振る舞いなどなど、お子さん一人ひとりが、こうしたらいいんじゃないか、あぁしたら良さそうだからやってみよう、と自ら考えながら乗り越えていくことが増え、ありふれた環境の中に流れる「くらし」というものに自然に乗れるようになってきているように思います。
こうなると、さらにくらしの場面が広がり、あそこに行ってみて●●をやってみよう、今度はこっちに行ってみて××をやってみよう、とお子さん本人も私たちもご家族もみんないい意味での欲が出てきます。そこでもまた、お子さん一人ひとりがそれまでに培った経験やノウハウをフル活用して、考えながら新しい状況や場面を乗り越えていく...そして、今度はもっとあれをやってみよう、これをやってみよう、それもできそうだね...と、お子さんたち自身が自分のくらしが広がることを望み、その広がりを獲得するようになっていっているように感じています。

とはいえ、その過程は一筋縄ではいかないことがたくさんあります。試行錯誤しながら、気持ちをコントロールしながら、できたできないを繰り返し、良い思いも悪い思いも感じながら、広がりをつくっていく...これって本当に苦行だなぁと思うこともしばしばあります。そんなことがあっても、Oleaに来たいと言う原動力ってなんだろうな...とこれまで良く考えたりしていました。
しかし、エージェンシーについて学ばせてもらった今は、お子さんたちにとって、Oleaは自分のエージェンシーを発揮できる場である...これが答えだったらいいなぁ、と。
私たち自身、Oleaでエージェンシーを発揮すべく試行錯誤する日々ですが、お子さんたちもそんなふうに思ってくれたらうれしいなぁと思う、5回目の春です。

長くなりましたが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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